受診・連絡の目安は主治医と決めておく 1型糖尿病の家族の備え

夜中にお子さんの血糖が下がって戻らない、吐いてしまって食べられない。1型糖尿病のお子さんと暮らしていると、「これは病院に連絡するべき?」と迷う場面が出てきます。迷っている間に時間がたってしまうことも少なくありません。だからこそ、どんなときに連絡し、どんなときに受診するかの目安を、あらかじめ主治医と決めておくことが大切です。この記事では、決めておきたい場面と、備えておきたいことを整理します。

この記事のポイント

  • 連絡・受診の目安は、年齢や治療内容によって一人ひとり違う
  • 迷いやすい場面ごとに、事前に主治医と決めておく
  • 夜間・休日の連絡方法も確認し、書面にして家族と学校で共有する
  • 急を要する様子のときは、ためらわず救急要請する

なぜ事前に決めておくのか

同じ「血糖が高い」でも、お子さんの年齢や治療内容、ケトンの有無などによって、家で対応できるのか、すぐ連絡が必要なのかは変わります。一般的な基準だけで判断するのはむずかしく、その場で迷いやすくなります。元気なうちに主治医と話し、お子さんに合った目安を決めておくと、いざというときに落ち着いて動けます。

主治医と決めておきたい場面

迷いやすい場面 決めておくことの例
低血糖が戻らない・くり返す 対応後の血糖と症状の確かめ方、回復しない・くり返すときの連絡先と連絡のタイミング
吐く・食べられない 連絡のタイミング、家での対応
ケトンが出ている どの程度なら連絡・受診するか
高い血糖が続く どのくらい続いたら連絡するか
機器のトラブル センサーが使えないときの指先測定への切りかえ、ポンプの故障・注入中断のときに主治医と決めた代わりの対応、医療機関への連絡の目安と機器の問い合わせ先

低血糖のときは、お子さんがとるブドウ糖の量は、体格や治療内容に応じて事前に主治医と決めておきます。一般的な流れは、意識がはっきりして安全に飲み込めるときに、ブドウ糖約10gをとり、15分待って再確認し、戻らなければもう一度とるものです。センサーの値は回復するときにも遅れて変わることがあるため、回復の確かめ方や、もう一度とるかどうかの判断は、指先測定を含めて主治医と決めた方法で行います。測る準備のために対応を遅らせないようにします。待つ間に意識や飲み込みの様子が悪くなったときは、口から与えず、すぐに救急要請します。低血糖への対応をしても血糖や症状が回復しないときは、医療機関へ連絡します。その連絡先とタイミングは、事前に主治医と決めておきます。吐き続ける、水分がとれないときも、目安が決まっていなくても医療機関へ連絡します。

すぐに救急要請する様子

次のような様子があるときは、事前の目安や医療機関からの返事を待たず、すぐに救急要請(119番)します。

  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • けいれんしている
  • 呼吸が速く苦しそう、ぐったりして動けない

意識がはっきりしない・飲み込めないときは、のどに詰まらせる危険があるため、口から食べ物や飲み物を与えないのが原則です。低血糖に備えた救急用の薬が処方されている場合は、使う条件と手順を主治医から事前に説明してもらい、対応する家族などで共有しておきます。薬を使うことで救急要請を遅らせないようにします。

学校や預け先とも目安をそろえる

お子さんが学校や習いごと、祖父母の家などで過ごす時間にも、迷う場面は起こりえます。家族の間だけでなく、学校や預け先とも同じ目安を共有しておくと、だれが見ていても同じように動けます。「この様子のときは家族に連絡」「この様子のときは救急要請」と、場面ごとに短く書いておくのがおすすめです。

備えておきたいこと

  • 主治医の連絡先と、夜間・休日の連絡方法をメモしておく
  • 決めた目安を書面にして、家族と学校で共有する
  • 使っている薬や機器の一覧を、すぐ見られる場所に置く
  • 子どもの急な病気で迷ったときの電話相談(#8000 子ども医療電話相談)も知っておく。受付時間は地域によって異なります。糖尿病の対応については主治医と決めた連絡先を優先し、意識や呼吸の異常などがあるときは、電話相談を待たずに救急要請します

よくある質問

Q. 夜中に連絡するのは迷惑ではないかと遠慮してしまいます。
夜間・休日の連絡方法を、主治医と事前に確認しておくと遠慮が減ります。決めた目安に当てはまるときや、迷うほど心配なときは、早めに連絡しましょう。

Q. 決めた目安はどれくらいで見直せばいいですか?
成長や治療内容が変わると、目安も変わることがあります。受診のときに、今の目安で困っていないかを主治医と確認するとよいでしょう。

連絡・受診の目安は、お子さんの年齢や治療内容によって異なります。この記事は一般的な情報です。具体的な目安は、必ず事前に主治医と決め、その指示に従ってください。

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この記事は、糖尿病・内分泌専門医のDr.いわたつが監修しています。

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