1型糖尿病は、インスリンや血糖を測る機器などを毎日使い続ける病気です。診断を受けたばかりのご家族からは、「医療費はどれくらいかかるの?」「使える制度はある?」という声をよく聞きます。子どもの1型糖尿病には、医療費の負担を軽くする制度がいくつか用意されています。ただし、全国共通の基準がある制度と、自治体ごとに対象や内容が異なる制度があり、内容が変わることもあります。この記事では、制度の種類と相談先を一般的な範囲で整理します。最新の内容は必ず窓口で確認してください。
この記事のポイント
- 子どもの1型糖尿病は、小児慢性特定疾病の医療費助成の対象となることがある
- ほかにも自治体の子どもの医療費助成など、使える制度がある
- 条件・手続き・自己負担は自治体や世帯の状況で異なる
- 迷ったら自治体・保健所の窓口や、通院先の医療相談窓口へ
小児慢性特定疾病の医療費助成
子どもの慢性の病気のうち、国が定めた病気(小児慢性特定疾病)について、医療費の自己負担を軽くする制度です。1型糖尿病も対象の病気に含まれており、インスリン治療を続けている場合は、病気の状態の基準に当てはまることが一般的です。ただし年齢などの要件もあり、申請して認定を受けることが必要です。自己負担の上限は、加入する医療保険上の世帯の課税状況などをもとに決まります。計算に含まれる家族の範囲や、負担を軽くする特例は窓口で確認してください。助成を受けるには申請が必要で、指定された医師が書く書類(医療意見書)などをそろえて、お住まいの地域の窓口に提出するのが一般的な流れです。認定後は受給者証などを提示し、指定医療機関で受ける、認定された病気とそれに付随する病気の保険診療について助成を受けます。具体的な対象範囲は窓口で確認してください。
ほかに確認したい制度
- 子どもの医療費助成:多くの自治体で、子どもの医療費の自己負担を助成する制度があります。対象年齢や内容は自治体ごとに異なります
- 高額療養費制度:保険診療の自己負担について、原則として月ごとに計算し、所定の上限を超えた分が支給される制度です。食事代や差額ベッド代など対象にならない費用もあるため、詳しくは加入している健康保険に確認します
- 手当の制度:子どもの状態によっては、手当の対象となる場合があります。対象になるかは個別に判断されます
- 自立支援の取り組み:小児慢性特定疾病の子どもと家族を対象に、相談や支援を行っている地域もあります
相談窓口の一覧
| 相談先 | 聞けることの例 |
|---|---|
| お住まいの自治体の担当窓口 | 子どもの医療費助成、手当、申請の方法 |
| 保健所 | 小児慢性特定疾病の申請・更新の手続き |
| 通院先の医療相談窓口 | 使える制度の整理、書類の準備(医療ソーシャルワーカーなど) |
| 加入している健康保険 | 高額療養費制度などの手続き |
| 主治医 | 医療意見書など、医師が書く書類のこと |
相談に行く前に、加入している健康保険の資格が確認できるもの、通院先の名前、これまでの領収書など、窓口から案内された資料を用意しておくと相談しやすくなります。必要な書類は制度ごとに異なるため、窓口で確認しましょう。
窓口の名前は自治体によって異なります。どこに聞けばよいかわからないときは、まず通院先の医療相談窓口に相談すると、整理を手伝ってもらえることがあります。
大人になってからのことも早めに
小児慢性特定疾病の助成は、原則として18歳未満で申請します。18歳になった時点で認定を受けていて治療が続いている場合は、20歳になるまで延長できることがあります。20歳で助成は終わり、大人の1型糖尿病は指定難病の対象ではないため、その後は高額療養費制度など別の制度を使うことになります。続けるには期限内の更新が大切です。助成が終わる時期と、その後に使える負担を軽くする制度について、進学や就職を見すえて早めに窓口や主治医と話しておくと、切りかえのときにあわてずにすみます。
制度のくわしい内容は、小児慢性特定疾病情報センターでも確認できます。
よくある質問
Q. 申請はいつまでにすればいいですか?
小児慢性特定疾病には、条件を満たす場合に助成の開始日をさかのぼれる仕組みがありますが、さかのぼれる期間には限りがあります。書類がそろうのを待たず、診断後早めに窓口へ申請方法と開始日を確認しましょう。ほかの制度の扱いも、それぞれの窓口で確認してください。
Q. 毎年手続きが必要ですか?
小児慢性特定疾病の受給者証には有効期間があり、更新の手続きが必要です。時期や必要な書類は窓口で確認しましょう。
制度の名称・対象・自己負担・手続きは、自治体や状況によって異なり、変更されることがあります。この記事は一般的な情報です。最新の内容は各窓口で確認し、治療については必ず主治医の指示に従ってください。
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この記事は、糖尿病・内分泌専門医のDr.いわたつが監修しています。
