カーボカウントの基本

治療を知る

「カーボカウント」は、食事に含まれる糖質(カーボ)の量を数えることで、血糖の動きを予測したり、インスリンの量を決めたりする方法です。とくに1型糖尿病や、インスリンを使う方の毎日を大きく助けてくれます。基礎から応用(インスリン量の計算)まで、順番に解説します。

この記事のポイント

  • 血糖を上げる主役は「糖質」。まずここを知る
  • 基礎カーボカウント=糖質量を一定にそろえて安定させる
  • 応用カーボカウント=糖質量に合わせてインスリン量を調整する
  • CIR(糖質/インスリン比)が計算のカギ

なぜ「糖質」を数えるの?

食後の血糖をいちばん大きく上げるのは、たんぱく質や脂質ではなく糖質です。だから「何に、どれくらい糖質が入っているか」がわかると、食後の血糖が読みやすくなり、インスリンの量も決めやすくなります。ごはん・パン・麺・いも・果物・砂糖などに糖質が多く含まれます。

基礎カーボカウント(まずはここから)

基礎カーボカウントは、毎食の糖質量をだいたい一定にそろえる考え方です。いつも同じくらいの糖質量にすることで、血糖が安定しやすくなります。まずは主食(ごはん・パン・麺)の量を把握するところから始めましょう。「ごはん茶碗1杯(約150g)で糖質約55g」といった、よく食べるものの目安を覚えていくのがコツです。

応用カーボカウント(インスリン量を計算する)

応用カーボカウントは、食べる糖質量に合わせて食事のインスリン(食事ボーラス)を計算する方法です。ここで使うのが CIR です。

CIR(糖質/インスリン比)とは

CIRは、インスリン1単位で処理できる糖質の量(g)のこと。たとえば CIR=10 なら「糖質10gにつきインスリン1単位」という意味です。

食事ボーラスの計算式

食事ボーラス(単位)= 食べる糖質(g) ÷ CIR

たとえば、糖質60gの食事で CIR=10 なら、60 ÷ 10 = 6単位。血糖が高いときは、これに「補正インスリン」を足すこともあります(補正は ISF という別の値で計算します)。

食べる糖質 CIR=10 のとき CIR=15 のとき
30g 3単位 2単位
60g 6単位 4単位
90g 9単位 6単位

実際の計算はInsuCalcのようなツールを使うと手早く確認できます(あくまで参考値。最終判断は主治医の指示に従ってください)。

CIRは「ひとつではない」

CIRは人によって違い、同じ人でも時間帯・体調・運動で変わります。朝は効きにくく夕は効きやすい、といった差が出ることも。自分のCIRは、必ず主治医と相談しながら決め、定期的に見直しましょう。

続けるコツ

  • 最初から完璧を目指さない。よく食べるメニューの糖質を少しずつ覚える
  • 外食は早見を活用
  • お子さんはゲームで楽しく覚えると続く
  • 血糖の記録と見比べて、自分のパターンをつかむ

お子さん向けの実践は、こどものカーボカウントもあわせてどうぞ。

インスリン量の計算式やCIRは、治療内容によって大きく異なります。この記事は一般的な情報で、特定の投与量を推奨するものではありません。実際の量は必ず主治医の指示に従ってください。

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